説教:「聖書の知恵(1)」
Words:今週のみ言葉(聖書朗読箇所)から
◆マルコ8:38「…わたしとわたしの言葉を恥じる者は、人の子もまた、父の栄光に輝いて聖なる天使たちと共に来るときに、その者を恥じる。」
福音書の舞台となった古代地中海社会に生きる人々は,「栄誉と恥」を大変重んじる人々でありました。その行動が自分にもたらすのは栄誉か,恥か――それが人々の振る舞いや行いを決める基準でした。その基準に当てはめれば,「排斥されて殺される」というイメージは,ひたすら恥としか言いようがなかったでしょう。ペトロの反発は当時の考え方からすれば当然とも言えたわけです。しかしペトロは一つの点で大きな矛盾を犯していました。イエス様はメシアであると告白していた点です。メシアに人の基準をあてはめることはできません。
◆ヤコブ3:2「わたしたちは皆、度々過ちを犯すからです。言葉で過ちを犯さないなら、それは自分の全身を制御できる完全な人です。」
聖書の知恵と人間の知恵とは異なります。全てが正反対のことを言っているわけではありませんが,人の基準からは考えられない基準も聖書の知恵には含まれています。だから私達は聖書がどうしても必要です。聖書の知恵こそは,私たちを守り,救い,命と祝福に導いてくれる神の知恵だからです。
*聖書は特に断りがない限り、全て新共同訳聖書(©1987 日本聖書協会)から引用しています。
